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第46話 切り取られる令嬢①

Author: 花柳響
last update Petsa ng paglalathala: 2026-06-07 06:00:52
 胸元から肋骨にかけてを強烈に締め付けていたコルセットの紐が、千尋の手によってゆっくり緩められた。

 そのとき、限界まで薄く張り付いていた肺が、強引に部屋のひやりとした空気を吸い込んだ。

 ヒュッ、という情けない摩擦音が喉で鳴る。

「……お疲れ様でございました、凛花お嬢様」

 背後で紐をまとめる千尋の声は、どこか腫れ物に触れるような、奇妙な遠慮を含んでいた。

 ラベンダー色のデイドレスが肩から滑り落ち、足元に重い布の塊となって崩れる。

 薄いスリップ一枚になった身体は、コルセットの圧力から解放されたというのに、ちっとも楽にはならなかった。むしろ、見えない無数の糸で手足をがんじがらめに縛り上げられているような、じっとりとした重さがあった。

「ありがとう。少し、一人にしてもらえるかしら」

 鏡越しに千尋を見ると、彼女は一瞬だけ躊躇うように視線を泳がせ、深く頭を下げた。

「それでは、すぐ休めるようにいたします。何か温かいお飲み物でも、お持ちいたしましょうか」

「今はいいわ。休みたいの」

 千尋が音もなく退室し、分厚いマホガニーの扉がカチャリと冷たいラッチの音を立てて閉ま
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